地理・歴史巡見部 韮山日帰り巡見旅行
2024年12月28日
【地理・歴史巡見部 韮山日帰り巡見旅行】
12月23日(月)に、伊豆半島の韮山(伊豆の国市)へ巡見に行ってきました。
まずは新横浜駅から新幹線で三島駅へ行き、そこからは貸切バスで移動。韮山は、源頼朝の流刑先であり、頼朝の妻の北条政子をはじめとする北条氏の本領である北条の地があり、戦国時代の北条早雲の居城の韮山城があり、幕末に江川英龍が建設した韮山反射炉があるという、日本史の教科書に登場する有名人・有名史跡のオンパレードの地です。
江川邸は、江戸時代のほぼ全期を通じて幕領の韮山代官を世襲で務めた旗本江川氏の屋敷です(国指定重要文化財)。ガイドの人に、屋敷や江川家、幕末に活躍した江川英龍について、ご説明いただきました。
韮山城は、堀越御所にいた堀越公方の足利茶々丸を攻め滅ぼした北条早雲が居城とした城で、小田原城を得た後も、生涯を通じて早雲の居城は韮山城でした(小田原城に居城を移したのは2代氏綱)。韮山城は江戸時代初期に廃城となったため、戦国時代の城の遺構がよく残っており、小さいながらも防御面で良く工夫された城であることがわかりました。高台にある本丸跡からは、富士山がよく見えました(韮山は、ほぼどこからでも富士山がよく見えました)。
頼朝の流刑地だった蛭ヶ小島の正確な場所は不明ですが、蛭ヶ島公園には「蛭ヶ島の夫婦」像(頼朝・政子の像)があり、その前で記念撮影(参加部員26名)。
昼食後は、世界文化遺産にも登録されている韮山反射炉へ。世界で唯一、ちゃんとした形で現存する反射炉で、幕末に鉄製や青銅製の大砲を100門以上鋳造し、大砲は江戸湾のお台場などに配備されました。
次に、北条時政が奥州藤原氏攻めの戦勝を祈願して建立した願成就院を訪れ、住職にお寺の歴史と、所蔵する運慶の国宝仏像5体についてご説明いただきました。奈良で僧や貴族のために仏像を作っていた運慶が、東国武士のために造立した最初の仏像が願成就院の仏像とされ、運慶30代の作品とのこと。若き日の運慶の仏像の力強さと完成度の高さに驚かされました。その後、北条早雲が攻めた堀越御所跡と伝わる地、北条政子産湯の井戸、北条時政・政子・義時らが生まれ育った北条氏邸跡(1333年に北条氏が倒された後は円成寺となった)を訪れ、帰路につきました。
鎌倉幕府を開いた源頼朝。初代執権北条時政。承久の乱に勝利して武家政権の優位を確立した北条義時。仏像彫刻に新たな境地を切り開いた運慶。最初の戦国大名とも言われる北条早雲。西洋砲術を習得し、江戸幕府初の反射炉を築いた江川英龍。さまざまな「歴史の開拓者」ゆかりの地をめぐる、充実した巡見旅行となりました。(顧問:中西崇)








